まえがき
私が初めて入院したとき、
心の中は真っ暗で、
先の見えない不安に押しつぶされそうでした。
これから自分の体に何が起きるのか、
どんな治療を受けるのか
何ひとつ分からず、
ただ恐怖と不安でいっぱいだったのを、
今でもはっきり覚えています。
それでも今は、
病気とうまく付き合いながら、
制限はあるものの、
以前のような日常を取り戻せています。
この記録は、
当時の私と同じように
「初めての入院」や「初めての診断」で
不安を感じている方へ向けて、
少しでも心が軽くなるように
との想いで綴っています。
1.膠原病のはじまり、微熱と体重減少は前兆だった!
「なんとなく調子が悪い」
「階段を上がっただけで息切れがする」
「呼吸が苦しい」
そんな日々が続いていました。
微熱、だるさ、食欲の低下…。
原因が分からないまま、
体が徐々に弱っていくのを感じていました。
何度も病院を受診しましたが、
検査をしても「異常なし」と言われるばかり。
明確な診断はつかず、
解熱剤などの対処療法だけが続いていきました。
「この体調は、いったい何なんだろう…」
そんな不安と戸惑いの中で過ごしていた、
あの頃のこと。
この記録では、
当時の症状や気持ち、
そしてそこからどう向き合っていったのかを、
少しずつ綴っていきます。
はじめに:病気とは無縁だった日々
子供の頃は、友達と公園で遊んだり、
つり、ゲームなどをして遊んでいました。
これといって、大きな病気はなく
入院などとは無縁で、
病院も苦手でした。
風邪やインフルエンザなど
普通にかかる病気程度でした。
健康には、それなりの自信をもっていました。
日常生活
大学を卒業後、
大手企業に就職しました。
エンジニアとして、
設計の仕事に携わっていました。
日々、新しいことを覚えながら、
忙しい中でもやりがいを感じて
仕事に取り組んでいました。
やがて妻と出会い、結婚し、
2人の子どもにも恵まれました。
休日には、家族で遊園地やキャンプ、
海に出かけたり、
連休には東京ディズニーランドへ行ったり
いろいろな場所へ出かけ、
楽しい思い出をたくさん作っていました。
忙しいながらも、
充実した日々を過ごしていたのです。
前兆 ~微熱が続く~
36歳の秋ごろ、
体に異変が起こり始めました。
何となく体がだるく、
微熱が出るようになり、
熱がなかなか下がらない日が
続くようになったのです。
『体が重く動かない』
『階段を上がっただけで息切れがする』
『呼吸が苦しい』
大きな総合病院で採血の検査を受けましたが、
「異常なし」と言われ、
原因は特定できませんでした。
診断は「原因不明」。
処方されたのは、
対症療法としての解熱剤だけでした。
そんな中でも、
私は解熱剤を飲みながら、
普段通りに仕事を続ける日々を送っていました。
体調が悪い中でも、
無理をしていつも通りの生活を続けてしまっていたのです。
そのまま半年が経過しました。
やがて微熱は出なくなり、
体調も徐々に回復。
以前のような生活を送れるようになりました。
今思えば、これが体が警告を出していた
前兆が始まっていた
と思いました。
前兆 ~めまい発症~
37歳の時、
突然、強烈なめまいに襲われました。
目を覚ますと、
天井や壁がぐるぐると回っていて、
平衡感覚がまったく保てず、
起き上がることすらできませんでした。
やっとの思いで立ち上がり、
歩こうとしてもふらついてしまい、
次第に吐き気に襲われ、
何度も嘔吐しました。
耳鼻科を受診したところ、
「メニエール病になりかけている」
との診断を受けました。
原因は「ストレス」。
まずはそのストレスを
取り除くことが重要だと医師に言われました。
メニエール病の治療
治療としては、
めまいを抑える薬「ドラマミン」の
服用から始まりました。
加えて、めまいを起こして
脳に慣れさせる「リハビリ」も行いました。
具体的には、
首を上下・左右に動かし、
あえてめまいを引き起こし、
それを何度も繰り返すという方法です。
これは、すごくつらい治療です。
吐き気もひどく、
生きた心地がしませんでした。
正直、
毎日続けられるものではなかったです。
めまいの改善に効果があった方法
自分なりに、
いろいろな改善方法を試しました。
その中で一番効果を感じたのは、
「新緑がみえる景色の散歩」でした。
新緑の景色が広がる公園や小道、広場を、
毎日1時間ほど散歩することで、
気分がすっきりし、
めまいが起こりにくくなっていきました。
続けていくうちに、
症状は少しずつ改善されていきました。
めまいの完治までには、
なんと3年もかかりました。
今でも健康維持のために、
散歩は続けています。
この経験が、
誰かの参考になれば嬉しいです。
前兆 ~1ヶ月で体重5kgの減少~
その後も
仕事が忙しい毎日が続いていました。
毎日の残業で、体が重く
つらい日々が続いていました。
家に帰って寝るだけの生活が続き
連日の残業で疲れがたまり、
ストレスも増し、
次第に「食事がおいしい」と
感じなくなっていきました。
食事量も自然と減り、
ある日、
ふとお風呂上がりに体重計に乗ってみると
普段60kgほどあった体重が、
55kgにまで落ちていました。
1ヶ月で5kg以上の減少です。
体力もなくなり、
明らかに「おかしい」と感じました。
体重が減少すると、体力がなくなる感がじます。
後から主治医に言われたのは、
「1ヶ月で5kg以上体重が減る場合は、
何かしらの病気が原因のことが多く、
精密検査が必要」とのこと。
このような体重の急激な減少が見られたら、
早めに医師に相談することをおすすめします。
体調不良のはじまり
こうして振り返ってみると、
最初は「微熱」から始まり、
そこから「めまい」、
そして「体重減少」と、
次から次へと体の不調が現れていきました。
それぞれの症状だけを見れば、
原因はさまざまに思えるかもしれません。
でも、これらはすべて、
「病気が進行する前兆」だったのです。
このような『前兆』が起こった時は
注意が必要です。
これらの症状が現れたとき、
たとえ病院で「異常なし」と言われたとしても、
自分の体からのSOSを見逃さないようにしてください。
異変を感じたら、まずは休むこと。
勇気を出して、
しっかりと休養を取ることが何よりも大切です。
病気が発症してしまうと、
完全に治すことが難しくなり、
治療や入院、
そして通院生活が長く続くことになります。
どうか、
あなたがそうならないように
この記録が、
少しでもあなたの健康のヒントになれば嬉しいです。
次の記事では、
私が初めて入院したときの話と、
「特発性血小板減少性紫斑病(ITP)」という
病名を告げられたときの気持ち、
そこから始まった治療についてお話しします。
▶ [2. 診断:特発性血小板減少性紫斑病(ITP)闘病記] へ続く